工場現場における〈安全の見える化〉に向けた取組から見えてきた可能性
【労働安全衛生セルフチェック支援サービス – 導入事例紹介】
労働安全衛生セルフチェック支援サービスを導入いただき運用していただいております事業者様の工場にて、取り組みにおける成果報告会を実施されました。弊社も報告会に参加させていただき、拝聴したご意見から見えてきた取り組みにおける結果と展望における可能性をお伝えいたします。
今回事例としてご紹介するのは、大阪でウレタンフォームの加工・製造業を営んでおられる事業者様です。こちらの工場で、労働安全衛生セルフチェック支援サービスを導入いただいております。
工場における事故防止の取組を促進していくにあたり、労働安全衛生セルフチェックを2022年11月から運用いただき、安全の見える化から改善へ向けた取り組みを実践されてきました。
2025年5月には、これまでの2年半の取り組みの成果報告会が実施されました。
取り組みにおいては若手社員を中心としたウェルビーイング委員会を立ち上げて、職場課題とその解決を目標に運用されています。
成果報告会では今まで運用されたレポートとともに、報告書を通じて労働安全衛生面におけるリスク情報の整理、リスク情報の共有、改善プランの提示、職場改善と安全対策などが報告されました。
労働安全衛生セルフチェック支援サービスの実施実績

| 対象工場 | 製造工場 |
| 導入サービス | 労働安全衛生セルフチェック支援サービス |
| 運用システム | jinjer株式会社のジンジャー人事労務 サーベイ |
| 運用開始日 | 2022年11月〜2025年6月(継続運用中) |
| 利用者 | 工場の作業者、管理者、安全パトロール係 |
| 利用人数 | 延べ 12人が利用 |
| 不定期配信 | 4回 (運用変更のお知らせなど) |
| 定期配信 | 労働安全:11回(4回 / 年 → 12回/年にペースアップした)(目安:3ヶ月に1回) ウェルビーイング:4回(12回/年) 品質意識チェック:125回(1回/週) |
| 設問数 | 労働安全:1 回につき 1 人に 70 問(のチェックリスト)を送付した 計 770 問 ウェルビーイング:1 回につき 1 人に 90 問、 計 360 問 品質意識チェック:1 回につき 1 人に 6問、計 750 問 |
| 所要時間 | 1配信につき10問(目安:1配信の所要時間は約1分) |
| 総 数 | 工場全体で総計18800問(のチェックリスト)を送付した |
| 無事故日数 | 2022年01月〜2024年7月 (労災事故ゼロ日数:約 900 日以上継続) |
| 委員会名 | ウェルビーイング委員会 |
| 委員会開催数 | 11回開催(2024年4月〜 目安:1回 / 月) |
■ 2年半の取組で実現した安全意識の向上
ウェルビーイング委員会の取り組みとして最初に取り組んだのが、労働安全衛生セルフチェックの仕組みの運用でした。運用としては作業前のリスク確認、それから、整理・整頓・清潔・清掃などの5S活動に通じた100項目のチェックリストを作業者のスマートフォンに配信し、それぞれの作業者がチェックリストにチェックをして返信してもらいます。そうすることで、安全に対する意識付けしてもらうことがねらいでした。
労働安全衛生セルフチェックの運用では、1回のチェックリストへのチェックは、約1分と作業者の負担を少なく実施することが可能です。報告会での結果からも、定期的に配信されるチェックを実施することで、作業者に安全に対する取り組みの習慣化と意識付けができた可能性が見受けられました。

■ ヒヤリハット情報の収集
また、工場では、これまで安全ミーティングなど労働安全衛生の自主的な活動を行ってきましたが、ヒヤリハットの収集については、なかなか情報が集まらず苦労されておりました。
その点を踏まえチェックリスト以外に、現場で発見したヒヤリハットを記入して送信するための配信も採用しました。定期的な配信で、作業者が現場で見たり体験したヒヤリハットを喚起させ、その内容を入力して送信できるため、今までなかなか集まらなかったという課題に対しては、2年半の運用で74件のヒヤリハット情報を集めることができました。
■ 工場現場を数値化、可視化に成功
作業者のチェック情報やヒヤリハット情報は、クラウド上に収集され、管理画面でグラフィカルに表示することが可能です。管理者はデスク上で即時に安全確認することができ、不安全情報や作業者の安全意識に対する低下傾向が見えてきた場合は、職長・リーダーが声をかけるなどコミュニケーションや安全対策が可能になります。報告会でも分析された情報を共有し、不安全情報に対する改善策が報告されました。

■ ウェルビーイング評価の可視化
ウェルビーイング委員会では、テーマごとの目標値と労働安全衛生セルフチェックの運用で得られた情報をもとにした結果を実際の現場を評価値として数字で可視化されています。そこからそれぞれのテーマの浮き沈みや作業者の傾向などを分析し、改善計画の基礎情報として活用してプランを策定しています。
例えば、安全のための取り組みに対して低評価だった従業員が可視化された場合、現場での安全意識の低下が危惧され、事故が起こる前に、リーダーが声掛けできるなどのコミュニケーションの支援として有効利用されています。
また、ヒヤリハット情報から職場のリスクや快適でない場所、危険な状態を発見した場合は、リスクの高いものから優先的に改善を行うよう、ウェルビーイング委員会主導で実践されました。
こういった即時的な取り組みは、若手社員が自分の意見を会社に聞き入れてもらえ、採用されることを体感することができ、エンゲージメントが高まることにつながり、従業員満足度にも貢献できている可能性が報告されました。
これまでシステムを2年半運用してきて、工場全体では総計18800問のチェックリストが送信されました。集計されたデータの分析、結果として、作業者個人ごとの安全評価と所属するチームごとでの安全評価が可能になり、社員とチームがどんなテーマで成長できたか可視化できました。

現場では、工場での無事故の継続に貢献できている可能性が報告されましたが、残念ながら先日、軽微な事故が発生してしまい、無事故継続日が900日でストップしてしまったこともあわせて報告されました。この事故発生の近日の結果を分析すると、作業者のチェック返答が滞っていたことが確認されました。
この分析結果を踏まえ、今後は作業手順書に記載している安全事項や注意事項もチェックリストとして生成し、アプリに登録して作業者に配信することを実施しました。
■ 経営トップの判断基準に貢献
当報告会の内容を傾聴された社長様は、成果と取り組みに対する姿勢を踏まえ、労働安全衛生法ならびに自主的な安全衛生活動に則した社内運用ルールに移行することを正式に発表されました。
これまで工場内の見えにくかった〈安全レベル〉を数値で可視化し、経営トップも共有することで社員の安全を守る意味性を再確認できたとおっしゃっています。
また、社員の自発的な意見の表出や円滑なコミュニケーションなど、チームが成長しながら安全な職場環境を自分たちで作っていく意識を持つことの重要性を期待されていました。

■ 労働安全衛生セルフチェックの運用展開における展望
報告会の内容ならびに報告を聞いた経営者のご意見から、あらためて安全を持続させることの難しさとともに、可視化することの重要性と各人の意識の向上が何よりも大切であることを再認識することができました。
可視化するための情報をいかに作業員の負荷なく、いかにスピーディーに入手するか。形骸化した紙での安全活動では難しかったこの課題を、DXの力で促進させていくことで、入手した情報の利活用による分析や改善が実現できるものである考えられます。
今後は、人的資本による企業価値向上、それに向けた非財務情報の可視化がさらに求められていきます。弊社としては、そういった大局的な視点も持ちながら、現場での安全の見える化からつながる安全な職場環境づくりを引き続きご支援していきたいと考えています。
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